こんにちは。京都市を中心に活動しているイラストレーター・デザイナーの赤松佐助です。
イラスト制作やグラフィックデザインを承っており、幅広いニーズやご依頼内容に対応しております。

今回は、先月開催した個展で展示していた作品について少しお話ししようと思います。
作品を見てくださった方の印象や想像を壊してしまうかもしれないので解説は基本的にしないのですが、こんな風に考えて絵を描いてますという紹介も含め少し書いてみようと思います。
説明下手でいろいろ語弊などあるかもですがご了承ください。

 

3つの作品

個展のタイトルは「LINE OF SIGHT」。
視線という意味です。

作品は連作で「あの先」「■■が見ている」「この先」の3つになります。

「あの先」

 

「■■が見ている」

 

「この先」

 

テーマについて

作品を作るときにはいつもテーマやコンセプトを設定してから描いています。
今回テーマにしたのは、個展タイトルでもある「視線」。
私たちが見ているものは本物か?という問いを絵で表現してみました。

突然ですが「クオリア」というものをご存知でしょうか?
細かい話は私も難しくてわからないのですが、感覚的な意識や経験、意識的や主観的に感じたり経験したりする質のことをクオリアまたは感覚質といいます。
例えば、リンゴを赤と認識したり、炎に触れて熱いと感じたりする体験のことを指します。

このクオリアについて少し面白い話(嘘か本当かはわかりません!)を聞いたことがあり、そこから今回の作品テーマを決めました。
少しその話について記述すると、例えばリンゴを見て赤色だと認識します。ただ、他の人にもリンゴは赤色に見えているのか?という疑問が生まれたとき、それを証明することはできないという話です。
自分にはリンゴが赤に見えているけれど、他の人には緑や青に見えているかもしれない。リンゴも紅葉も夕日も「赤」という名前の色で多くの人が共通認識として持っているけれど、人それぞれ実際には全く違う色で見えているかもしれない。
他人の脳内を直接覗き見たり、その人の感じているものをそのまま知ることは今の科学技術では実現不可能なので、その結果自分が見ている世界は他の人が見ている世界と同じなのか?という疑問を解消できないらしいです。

 

作品について

前置きが長くなりましたが、ここから作品についての話です。

構図としては、女性と男性がそれぞれお互いの世界を覗き見ている場面です。
テーマである「視点」というのは、親、友達、恋人、上司、同僚、先生、他人、SNS、幻覚。感じたくなくても感じる視線、見たくなくても見てしまう世界を指しています。

女性はドレスアップし、男性はスーツを着ていて華やかに見えるけれど、女性の世界は真っ白で飾り気のない世界、男性の世界は真っ暗で先の見えない世界であって決して華やかとは言えません。
裂け目からこぼれ出ているキラキラした模様は、先入観から生まれた幻想です。何も知らないのに他人の世界は輝いているように見えて、恵まれているにもかかわあらず自分の世界は不幸に満ちていると思ってしまうことが私にはあります。
そうした嫉妬や傲慢や精神の異常だったり現代社会の混沌とした雰囲気を、変な生き物や人のようなものなどいろいろ混じり合わせたキラキラで表現してみました。

「■■が見ている」では女性の瞳に向こう側の世界を描いていますが、この世界は映り込みではなくこちらも女性が勝手にイメージして作り上げた世界、幻想です。
映り込みだと強膜(白目)にも景色は映りますが、角膜(黒目) のみに向こうの世界を描くことであくまで女性だけに見えている世界ということを表現しています。
自分が見ている世界は本当に正しいか? 自分は周りからどう見られているのか? 他人の世界はキラキラ輝いて見えるけれど実際はどうか? みんなが見ている世界は同じか?という得られることのない答えを3つの作品を通して描きました。

 

最後に

少し長くなってしまいました。
解説を書いておきながら言うことではないですが、作品を見てくださった方が自分の中でこの絵のストーリーを想像して楽しんでいただけたら私としては一番嬉しく思います。
今回の話は正解などではなく、あくまでも1つの解釈として捉えてください。

今回はこれでおしまいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。